前編では①~⑩の解説を紹介しました!
今回は⑪~⑳の解説や豆知識をお届けします✨
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後半は難易度高めでしたが、何問解けましたか?🌤
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クイズ⑪~⑳までの漢字を解説!豆知識も紹介します!
⑪凪(なぎ)

凪とは、風がやみ波が穏やかになることをいいます。
「なぎ」という言葉の語源は分かりませんでしたが、平坦な安定した状態を表す古語として古来から使用されてきました。
そこに「和ぎ」や「凪」、「薙ぎ」といった漢字が当てられていったようです。
「凪」という漢字は、前編の「凩」の項目でも紹介しましたが、風の省略形である「𠘨」に、止を組み合わせた文字で、「風が止まっている」ことをあらわしています。
また、漢字は中国で作られたものが多いなか、「凪」は数少ない日本で作られた漢字(国字)です。
大切にしていきたいものですね♪

その他の国字には、「峠」「榊」「畑」「辻」「働」「膵」「腺」などがあります。
⑫颱(たいふう)

台風とは、「北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が秒速17m以上のもの」を指します。
先述のように「台風」という字が見慣れているかと思いますが、戦中までは「颱」「颱風」と表記されていました。
しかし、1946年に「常用漢字」が制定され、「颱」の字が常用漢字から外れたため、「台風」と表記されるようになりました。
また、よく「英語の”タイフーン”という言葉は日本語の”台風”から作られた」という話も聞きますが、実際はその逆で、明治時代にtyphoonの訳語として「たいふう」が名づけられました。
ではなぜ英語で台風は「typhoon」というのかというと、これまた三つの説があるようです。
- 中国語が語源説・・・広東地方で大風を表す「tai fung」から借用
- アラビア語が語源説・・・ぐるぐる回るという意味の「tufan」から借用
- ギリシャ神話から説・・・風の神「typhon」から変化
台風という言葉が一般化される前の日本では、「野分(のわき/のわけ)」「大風(おおかぜ)」「颶風(ぐふう)」などと呼ばれていたようです。

ちなみに、「tsunami(津波)」「edamame(枝豆)」「konjac(こんにゃく)」などは日本語がそのまま英語になったパターンです✨
⑬旱(ひでり)

旱(ひでり)とは、長い間雨が降らないで水が枯れることを指します。「干ばつ」とも言いますね。
「日照り」と書くこともあります。
「ひでり」の語源はそのまま、日が照ることから来ています☀
漢字の「旱」は「日」+「干」と書き、「日照りが続いて雨が降らず、土地が乾ききってしまう状態」、つまり「ひでり」そのものを指しているのですね。
旱が続くと、水不足による「干害(かんがい)」といった災害が発生します。
今から約30年前の平成6年には、香川県で史上最大の大干ばつが発生し、高松市ではなんと16時から21時までしか水を使ってはいけないという厳しい給水制限まで行わなければならない事態に発展しました。
さらに、本来水がたくさん必要である農作物への被害も甚大で、人間だけでなく様々な生物にまで影響が及びました。
雨が降り続きすぎても大洪水や土砂崩れ、日照不足による植物の生育不良などが起こりますし、降らな過ぎても生命活動に深刻な影響がもたらされてしまいます。
今年の梅雨は今のところあまり雨が降っていませんが、干ばつが起こらないよう祈るばかりですね・・・。

直近だと2021年に北海道で100年に一度といわれる干ばつが発生しました。水があることを当たり前に思わず、日ごろから節水を心がけていきたいものですね🚿
⑭極光(オーロラ)

オーロラとは、地球の大気圏で発生する光の現象のこと。
太陽風のプラズマが大気中の酸素や窒素とぶつかることで光が発生してオーロラとなります。
オーロラは南極や北極、その周辺のカナダやアラスカ、北欧などで観測することができます✨
「オーロラ」という名称は、ローマ神話に出てくる暁の女神アウロラ(Aurora)から名づけられました。
アウロラは夜明けを象徴する女神であり、オーロラ現象が夜明けの光に似ていることからこの名前が付けられたようです🌈
オーロラの名付け親は諸説ありますが、ガリレオ・ガリレイだという説が有力です。
漢字で「極光」と書く理由は、地球の極地(北極や南極)でよく観測されることが由来のようです🌟
また、2024年5月、日本各地の広い範囲でオーロラが観測されました!
これは太陽フレアという太陽表面の爆発現象によって起こされた磁気嵐によるもので、低緯度オーロラと呼ばれるもののようです。
今年(2025年)もオーロラの当たり年といわれているため、また各地で観測できる日が訪れるかもしれませんね😆

みなさんは昨年のオーロラは見られましたか?
⑮陽炎(かげろう)

陽炎とは、春や夏に日光が照りつけた地面から立ちのぼる気のことをいいます。
真夏に地面や地表近くの空気がゆらゆら揺らめいている光景を見たことがあるかと思います🎐
「かげろう」の語源は、「きらきら光る」という意味の古語「かぎろふ」に「火」を意味する「ひ」が付いた言葉「かげろひ」で、「ゆらゆらと揺れて光る炎」を意味しています。
ここから転じて、蜃気楼のような光の揺らぎを意味するようになり、「陽炎」という漢字が当てられました。
また、同じ読みである昆虫の「カゲロウ」も、成虫の寿命が数時間~数日程度と短く、まるで陽炎のように現れては消えることからこの名が付けられたようです。

カゲロウは成虫としての寿命は短いですが、幼虫時代は数か月~2,3年と一生涯として考えると決して短命ではなさそうです。セミと同じですね🐛
⑯飃(つむじかぜ)

つむじかぜとは、激しくうずまき状に吹き起こる風のことを指し、「旋風(せんぷう)」とも呼ばれます。
竜巻のように渦を巻く突風で、竜巻よりは被害は少ないもののテントや看板などを吹き飛ばしてしまうため、つむじ風に遭遇したら直ちにその場を離れましょう!
「つむじかぜ」の由来はそのまま、人の頭にある渦巻き状の髪の生え際「つむじ」から来ています。
「飃」という漢字は、いくつかある「つむじかぜ」の漢字のひとつで、「ひらひら舞う」という意味があります。
その他にも、最も一般的な「旋風」や、犬が群れで走っている様子をあらわした「飆」「飇」「猋」、「飃」を逆にした「飄」、炎と風を組み合わせた「颷」「飈」など・・・これらすべて、「つむじかぜ」と読むのです!
あなたはどの”つむじかぜ”が好きですか?🍃

他にも「颮」「颶」「颴」などがあります。「颴」が一番つむじ風(旋風)っぽくて私は好きです!(笑)
⑰霓(にじ)

にじとは、大気中に浮かぶ水滴に太陽光が当たって、光が屈折・反射することで、色とりどりの光の帯が弧状に見える現象のこと。
にじを見ると、なんだか良いことがありそうな嬉しい気持ちになりますよね🌈✨
「にじ」という名称の由来は分かっていませんが、日本では古来よりヘビが息を吹いたものが虹になるという考え方があったため、ヘビに関する言葉が「にじ」の語源になっているのではないかとも言われています。
一般的な漢字である「虹」は、ヘビを意味する「虫」と、”貫く・繋ぐ”という意味の「工」を組み合わせて作られました。
「虹はどうして虫へんなんだろう?」と疑問を抱いたことがある方もいると思いますが、これは古代中国では虹を竜や大蛇の一種とみなしていたことに由来しているようです。
そして、今回の問題の「霓」ですが、これは「副虹(主に見える主虹の外側に現れる淡い虹)」や「雌の竜」を指しています。
先述のように、古代中国では虹は竜の一種と考えられていました。
そのことから、雄(主虹)の竜を「虹」、雌(副虹)の竜を「霓」と呼び分けていたそうです。
二つの虹を合わせて「虹霓」と呼びます。
中国らしい、素敵な逸話ですね🌈💛

主虹と呼ばれるはっきり見えるにじは「虹」、その外側の副虹と呼ばれる薄く見えるにじは「霓」と表記するということですね!実生活では使えなさそうですが🤣
⑱蜃気楼(しんきろう)

蜃気楼とは、光の屈折によって、遠くの景色が実際とは異なって見える現象のことを指します。
遠くの島がまるで浮いているように見えたり、写真のように道路に水たまりがあるように見えたり・・・。
また、水の入ったコップにストローを入れてコップの側面から見てみると、ストローが折れ曲がって見えますよね。蜃気楼もこれと同じ仕組みです😊
「蜃気楼」の語源は、中国の歴史書『史記』に由来し、「蜃(大きなハマグリ)が気を吐き出して楼閣のような幻を作り出す」という意味から来ています。
日本では富山湾の蜃気楼が有名で、2020年3月10日には「魚津浦の蜃気楼(御旅屋跡)」として国の登録記念物(景勝地)に登録されました✨
その他、北海道・石狩湾の対岸の景色が異なって見える「高島おばけ」やオホーツク海の「幻氷」と呼ばれる流氷の蜃気楼、琵琶湖や伊勢湾、長野県東部など、各地で美しい蜃気楼が見られるようです🌟

幻想的な雰囲気に虜になること間違いなしですね😍
⑲梅雨(つゆ・ばいう)

梅雨とは、日本を含む東アジアで、春から夏にかけて現れる雨や曇りの日が多い時期のことを指します。
一年で最も憂鬱な時期としても名高い梅雨。雨ばかりでなんだか気分も落ち込んでしまいますよね😓
「つゆ」の語源は、雨による水滴を意味する「露」や、梅の実が熟してつぶれる様子を表す「潰ゆ」に由来している説があります。
もうひとつの読み方「ばいう」は、中国で「梅の実が熟す頃に降る雨」という意味で「梅雨(ばいう)」と呼ばれていたものが日本に伝わった説や、「黴(かび)が生えやすい時期の雨」という意味で「黴雨(ばいう)」と呼ばれていたものが同じ読みの「梅雨」に変わったという説があるようです。
「梅雨」という漢字は、前述のように、中国の「梅の実が熟す頃に降る雨」をあらわす「梅雨(ばいう)」からそのまま来ています。
また、同じ梅雨の雨ですが、雨の降り方によって「男梅雨(激しく降ってすぐにやむ雨)」「女梅雨(しとしと降り続く雨)」「荒梅雨(激しく降る雨)」などさまざまな表現が使われているようです☔
日本語ならではの美しいことばたちがとっても素敵ですね✨

「走り梅雨(梅雨入り前の梅雨のような雨)」「戻り梅雨(梅雨明け後に再び降る雨)」「照り梅雨(梅雨の時期に雨が降らず、晴れが続いている)」など、梅雨をあらわす表現は多岐にわたります。昔の人は、現代人のわれわれにはあまりない梅雨の侘び寂びを感じられていたのですね💛
⑳霆(いかずち)

いかずちとは、雷の古語のことです。
「いかずち」の語源は、「厳つ霊(いかつち)」に由来するといわれています。
「厳つ」は「厳つい」のように、「たけだけしい」「荒々しい」という意味で、「霊(ち)」は霊的な力をもつものを指しており、「厳つ霊(いかつち)」は「荒々しい霊」「激しい力」をあらわしています。
そこから変化して「いかずち」になりました。
今回の問題の「霆」は、雨をあらわす「雨へん」+”直立”や”伸びる”をあらわす「延」が合わさってできた漢字で、雷の音や光がまっすぐに伸びてくる様子を表現しており、激しい雷鳴を意味するようになりました。
「雷」という字が一般に知られていますが、「霆」はより激しい雷鳴や稲妻をあらわす場合に使われることがあるようです⚡
また、「青天の霹靂」で使用される「霹」という字も「いかずち」と読みます。
こちらは雷が空を裂くような音を表現しており、「青天に突然空を切り裂くような雷鳴が響き渡る」ということから「突然の出来事」「衝撃」をあらわす慣用句として使われるようになりました⚡✨

昔の人は、雷を神格化して考えていたようです。
あとがき
以上、プリントの後半の漢字と豆知識を紹介しました!
難易度高めの漢字ばかりでしたが、いくつ読めましたか?🌤
天気にまつわる言葉はどれも神聖な響きを感じるものばかりですね!
昔の人がそれだけ天気を「神の思し召し」ととらえていたということなのでしょうか。
今回もご覧いただきありがとうございました❣

同じ言葉でも、漢字がたくさんあるのが面白いですね✨
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