デイサービスやグループホームなどで働いていると、「この職員さんは利用者さんからよく話しかけられているのに、あの人はそういうところを全然見ないな……」なんて思うこと、ありませんか?
実は、利用者さんにとって「話しやすい職員」と「話しにくい職員」には、ちょっとした違いがあります。
「話しやすい」と思ってもらえるということは、「信頼されている」ということ。
介護施設で働いているなら、誰しも「話しやすい職員」「信頼できる職員」と思ってもらいたいですよね!
信頼される職員になるだけで、拒否も減りスムーズにケアをさせてもらえるようになったり、利用者さんの日々の観察やアセスメントの際にも役立ちます♪
「もっと利用者さんと会話したい!」「心を開いてほしい!」と思ったら、まずはこの5つのポイントから意識してみましょう!
ちょっとした工夫で、「この人と話したい!」と思われる職員になれますよ♪

利用者さんに「あなたにはつい何でも話しちゃうわ」なんて言われたら、介護士冥利に尽きますよね♡
利用者さんが「話しにくい」と思う職員の特徴とは?
笑顔がない、ぶっきらぼう
あなたがお店を利用して「ちょっと質問したいな」「注文したいな」と思ったとき、笑顔がないぶっきらぼうな店員さんに話しかけたいと思いますか?
「怖いな」「嫌な対応をされそう」と感じて、話しかけるのを躊躇しますよね。あるいは別の店員さんを探したり……。
それと同じで、「笑顔がない」というのは、それだけで利用者さんは恐怖心や不快な感情を抱いてしまいます。
マスクをしていてたとえ目だけ笑っていても、笑顔じゃないことは意外とわかるものです。
ぶっきらぼうな対応も同じで、「もしかして怒らせちゃった?」と不安を与えてしまうので注意しましょう。

笑顔を作るのが苦手でも、不安にさせないような柔らかい雰囲気で対応したいですね♪
口調がきつい、言葉遣いが悪い
「~しましたか!?」「さっき~って言いましたよね」というような強い口調は、たとえ言った本人はその気がなくても、言われた側は責め立てられているように感じて恐怖を抱きます。
特に認知症のある利用者さん相手だと、恐怖と困惑で不穏になってしまうかもしれません。
また、「これやってねーじゃん」「~した方が良くね?」などという悪い言葉遣いも、不快に感じられる方が多いです。
クレームや施設の評判が落ることに繋がりかねないため、強い口調や悪い言葉遣いで話すことは絶対にやめましょう。

相手は人生の大先輩です。そのことを忘れないようにしましょう。
仕事が雑
職員から見ても、仕事が雑な方はあまり信用できませんよね。
仕事を適当に終わらせたり、物の扱い方が乱暴だったり、頼まれたことを忘れたり、質問に対して適当に返事をしたり……。
雑な対応をされると、信頼を得るどころか、利用者さんの中でその人に対する不信感がどんどん大きくなっていきます。
こちらもクレームや評判の悪化に繋がりかねませんので十分に注意しましょう。

周りに仕事や対応が丁寧で信頼が厚い人はいませんか?その人のやり方を見習うのもいいですね!
声が小さい、おどおどしている
高齢になると、加齢や疾病により耳が遠くなる方が多くいます。
耳が遠い利用者さんと声の小さい職員では、会話が上手く成立しないためコミュニケーションがスムーズに行えません。
信頼以前の問題になってしまうため、利用者さんの状態に合わせて声のボリュームや話し方を変化させましょう。
また、おどおどしていることも、頼りなさそうに見えるため信頼は得られません。
介護者が不安そうだとケアを受ける側はさらに不安になってしまうため、利用者さんの前ではできるだけ堂々としていたいものですね。

介護者の不安そうな対応により、利用者さんが不穏になってしまうことも……。
一方的に話をしてくる
利用者さんの話を遮ったり、自分の話ばかりしてしまうのもNGです。
「この人は自分の話を聞いてくれない」と判断され、心を開いてもらえることはないでしょう。
お年寄りは人生の先輩なので聞き上手な方が多いですが、それに甘えて自分の話ばかりしないようにしましょう。

介護を提供している側である、ということを常に忘れないようにしたいですね。
「話しやすい/信頼される職員」になるには?5つのコツを紹介!
笑顔を忘れない
ありきたりなことかもしれませんが、「笑顔」は何より大切です。
笑顔でいることは、「私はあなたを拒否していませんよ」という意思表示にもなります。
でも、面白いこともないのに「笑顔を作る」って意外と難しいですよね。
そんな方は、まずは鏡を見ながら笑顔の練習をしてみましょう!
練習方法はカンタン。
鏡に向かってニコッ!と笑顔を作るだけ!
朝の洗顔の時、トイレの時、歯磨きの時、お風呂の時……一日の中で、鏡を見るタイミングは思いのほかたくさんあります。
慣れないうちは一日一回でも大丈夫!
続けていくうちに、だんだん自然な笑顔が作れるようになりますよ。
笑顔は周りが明るい気持ちになるだけでなく、免疫力が上がったり、ストレスが緩和されたり、前向きな気持ちになれたりと、自分自身にも良い影響を及ぼしてくれます。
ぜひトライしてみましょう♪

「朝の洗顔のときに必ず練習する!」などと決めるのもよいですね!
名前を呼ぶ
一見何気ないことですが、名前を呼ばれると、相手に特別感を抱いたり、「自分のことを尊重してくれている」と感じ、呼んだ人に対して好意を抱く傾向にあります。
これを心理学では「ネームコーリング効果」というそうです。
挨拶ひとつでも、「こんにちは」と単に言われるより、「〇〇さん、こんにちは」と名指しで挨拶された方が親近感も抱きますし、嬉しいですよね。
たとえば、こんな感じで声を掛けてみましょう!
- 〇〇さん、今日は良い天気ですね!
- 〇〇さん、こんにちは!お食事の準備ができましたよ。
- 〇〇さん、もし良ければ一緒にお風呂に行きませんか?

ネームコーリング、効果が高いのに実践するハードルは低いのでとってもおすすめです♪
目を見て話す
利用者さんとお話をするとき、作業をしながら片手間に会話をしていませんか?
本当は話を聞いてあげたいけど、今はちょっと手が離せない……そんな状況は結構多いですよね。
そんな時は、作業する手は維持しつつ、少しだけ頑張って利用者さんの目を見て話しましょう!
もちろん、作業の手を止めて、しっかりと利用者さんと向き合うのが最も望ましい形です。
しかし介護士は業務量が多く、時間にも追われていつも忙しいもの。手はなかなか止められませんよね。
折衷案ではありますが、目だけはしっかり合わせてお話ししましょう^^
目を合わせて話すだけでも、利用者さんは自分の話をしっかりと聞いてくれているんだと感じてくれるはず♪

もちろん笑顔は忘れずに!「忙しい」というオーラを出さないように努めましょう♪
受容をする
介護をしていると、よく「傾聴しなさい」「共感力を鍛えましょう」と言われますよね。
でも、傾聴力や共感力はなかなか身につけるのが難しいもの。
そこでまずは、「受容をする」というところから意識していきましょう!
受容とは・・・相手の話や感情をありのままに受け止めること
特別なスキルや声掛け方法などはありません。
「利用者さんの発言を否定しない、受け止める」、重要なことはたったそれだけ!
- そうだったんですね。
- 昨日、〇〇ということがあったんですね。(オウム返し)
- そういう考え方もありますね。
「否定しない」ということがとにかく大事です!
「受け入れてくれる人」という評価をもらって、利用者さんとの心の距離をグンと近づけていきましょう♪

テキトーな受容、返事は逆効果なので注意しましょう。
相手に興味を持つ
すべての人間関係において、これが最も大事なことかもしれません。
相手が何を好きなのか、何を思っているのか、何をされると嬉しいのか。
利用者さんであれば、昔何の仕事をして、どういう時代を生きて、どういう子育てをしてきたのか。
職員から見たら利用者さんは大勢のうちの一人かもしれませんが、それぞれに必ずバックボーンがあります。
「この方はどういう方なんだろう?」とその背景に思いを馳せることで、自然と相手に興味がうまれ、会話も浅いものではなくなります。
私たちも、「この人は自分に興味を持ってくれているな」と思う人には安心して、ついいろいろ話してしまいますよね。
「あなたに興味を持っている」「あなたのことをもっと知りたい」という気持ちを持って利用者さんに接すれば、自然とそれが言動に表れて利用者さんも話しやすくなるはずです!
初歩的なことではありますが、まずは利用者さんひとりひとりの内面に興味を抱くところから始めていきましょう♪

たとえ認知症でも、背景と意思のある一人の人間!それを常に念頭に置いてケアに当たりたいですね。
まとめ
信頼関係を築くというのは難しいようで、やり方さえ間違わなければ意外とすんなりできてしまうものです。
✔目を見ながら笑顔で会話!
✔随所で名前を呼んでみる!
✔興味を持って、受容的な態度で話を聞く!
これさえできればあなたはきっと大丈夫!
信頼してもらえる職員になれるよう、一緒に頑張っていきましょう♪

「自分のされて嬉しいことをする」「自分がされて嫌なことはしない」という気持ちが大切ですね!
コメント