利用者さんの『帰りたい』に困らない!実践できる6つの声かけテクニック✨声かけの実例付き!

コミュニケーション

「家に帰りたいんですが」「そろそろ帰らせていただきますので・・・」「もう帰るからな!」

介護の現場では、そんな風に利用者さんから訴えられることが少なくないと思います。

さらに多くは不穏状態。慣れないうちは、介護職としてどう対応すればいいのか悩みますよね😿

「帰りたい」という発言の背景には、認知症の影響や不安、習慣など、さまざまな理由があるのは知っているけれど、無理に引き止めるとさらに不穏になってしまうし、かといって「それなら帰りましょうか。ご自宅まで送りますね」とも言えない……。

この記事では、そんな「帰りたい」と言われたときの効果的な声掛けや、利用者さんの気持ちを落ち着かせる実践的な対応法を紹介します!

これを読めば、「帰りたい」と言われたときも慌てず、穏やかに対応できるようになるはず。

ぜひ、日々の介護に役立ててくださいね!✨

もう慌てない!効果的な声掛け・行動はコレ✨実例付きで紹介します♪

とにかく優しく傾聴する

介護職としての基本はコレ!耳が痛いほど言われる「傾聴」ですね。

「帰りたい」と言われた時の傾聴のコツはこちらです!

  • まずは「ご自宅に帰りたいんですね」と受容する
  • 「どうして帰りたいのですか?」と理由を聞く
  • 理由を話してもらえたら、「それは帰りたくなっちゃいますよね」「そんなことがあるとお辛いですよね」と共感する
  • 目線を合わせながら、とにかく優しい声音でうんうんと話を聞く

上にあるように、「とにかく優しく!」が一番重要な点です。

不穏な方に強い口調や乱暴な態度で接するとますます不穏になり、帰りたい気持ちが増幅してしまうため注意しましょう!

利用者さんの性格や認知症の度合い、信頼関係によっては手を優しく握りながら傾聴するのも安心感を与えることができ効果的です。

こみち
こみち

目線を合わせるときは対面ではなく、直角法(利用者さんに対して直角の位置に座り斜めから向き合う(テーブルの角を挟むなど))でのコミュニケーションがおすすめです!

ご家族やお知り合いの名前を出す+褒めてみる!

これもよくある手法ですが、ご家族やお知り合いの名前を出してみましょう。

「奥さん」や「娘さん」でも良いですが、できれば「妙子さん」「美幸さん」など、実名を出した方がより効果的だと思います。

ご家族が「ここにいてほしい」と言っていた、という旨を優しく伝えましょう(嘘も方便)。

  • 奥さんが『今日は買い物に行く日だからここにいて』とおっしゃってましたよ♪」
  • 敬之さんに『今日は仕事があるので、16時に僕が帰るまで父をよろしくお願いします』とお願いされているんです😊」
  • 芳江さんは婦人会の会合があるみたいですよ。それまでここで一緒に芳江さんの帰りを待ちましょうか」

しかし、「〇〇はそんなこと言わない!」などと否定されることも多々あります。

そんな時は、そのご家族のことを褒める一言を付け足してみましょう!

  • 「奥さんが今日は買い物に行く日だからここにいてって言ってましたよ。あんなに美人な奥さんがいらっしゃってうらやましいです!
  • 「敬之さんに『今日は仕事があるので、16時に僕が帰るまで父をよろしくお願いします』とお願いされているんです。仕事熱心な優しい息子さんですね!きっと〇〇さん(利用者)の育て方が素晴らしかったんですね^^
  • 「芳江さんは婦人会の会合があるみたいですよ。それまでここで一緒に芳江さんの帰りを待ちましょうか。おうちに帰るとあんなにかわいらしい娘さんがいらっしゃるなんて、毎日が輝いちゃいますね✨」

ご家族やお知り合いを褒められて嬉しくない利用者さんはいないはずです!

(独身の方など身寄りがない方には使えない手法ですが・・・)

さらに言えば、2番目の礼のように、「〇〇さんの育て方が素晴らしかったんですね✨」「娘さんが美人さんなのは〇〇さん譲りですね!」「〇〇さんが素敵な方だからあんなに素敵なご主人/奥さんと出会えたんですね♪」など、利用者さんご本人のこともさりげなく褒められたらもっと良いかと思います!

「そ、そうかしら・・・」と不穏状態が和らぐはずです♪

こみち
こみち

わざとらしくないように注意しましょう!日ごろから褒め言葉を伝える練習をすると良いかもしれません✨

「分かります!」と共感する

「傾聴」と似ていますが、「傾聴」は相手の話を注意深く聴くこと、「共感」は相手の気持ちを汲み取ることと少しニュアンスが違います。

ここで言う「共感」とは、利用者さんの気持ちに自分の気持ちを照らし合わせることです。

  • 「分かります!やっぱり家が一番落ち着きますもんね!
  • 「実は私も帰りたいんです~!私たち気が合いますね❤」
  • 「あんなにかわいい奥さんがいたらそりゃ早く帰りたくなっちゃいますよね♪〇〇さんは世界一、いや宇宙一の幸せ者ですね!」

こんな感じで「家に帰りたい」という言葉に対し「私もそう思う」と理解を示しましょう♪

気の合う仲間を見つけたと思って安心していただけるかもしれません!

ポイントは「とにかく明るく笑顔で話す」こと!

「私も帰りたい」という言葉で共感を示す場合は、明るくおどけた調子で話して愚痴っぽくならないように注意しましょう♪

こみち
こみち

仕事中の「帰りたい」は全人類共通の熱い思いですが(?)、これはあくまで「利用者さんの気持ちに共感するための方法」だと切り分けて考えましょう🌸

話を逸らす

共感や傾聴などの受容的態度を示したあと(←重要!)のステップとして、「話を逸らしてみる」のも手です。

  • 「家といえば、〇〇さんのおうちのお庭のお花、綺麗に咲いていましたね!なんというお花の種類なんですか?」
  • 「そういえば、お迎えに伺ったとき、玄関に飾ってある素敵なお写真がいつも気になっていたんですよ!旅行に行ったときのお写真ですか?」
  • 「帰るといえば、私はここに車で来て車で帰るんですが、〇〇さんは若いころ車は乗られてました?」「私車の運転が苦手で・・・~という状況の時どうしたらいいと思います?」
  • 「あれっ、今日のお洋服とっても素敵ですね!?〇〇さんの美しさに見惚れていたので今まで目に入っていませんでした😆袖の部分とかとってもかわいいです♪」

というように、なるべく利用者さんが主張されているワード(「家」「帰る」など)から連想できる言葉で話を逸らしてみましょう!

もしくは、4番目の例のように利用者さんのお洋服やアクセサリーなど、「今気が付いた」風に大げさにリアクションを取って注意を引くのも良いと思います!

ポイントは「必ず傾聴や共感で思いを受容してからこの手法を使うこと」「唐突な話題はしない(「急に何の話!?それどころじゃないんだけど!」となるので)

こちらも明るく元気に伝えましょう♪

こみち
こみち

日ごろから観察スキルを身に着けておくことが大切です😊

頼みごとをする

「話を逸らす」と重なるところもありますが、「頼みごとをする」というのもアリ!

帰りたいと訴えている方の得意なもの、好きなもの、昔していた仕事など、興味のある内容の頼み事をしてみましょう!

たとえば・・・

  • 「そういえば私、〇〇さんにお願いしたいことがあって・・・私、折り紙がどうしても苦手で、〇〇さんに教えていただきたいところがあるんです。〇〇さん折り紙がとてもお上手なので、聞くなら〇〇さんしかいない!と思いまして!」
  • 「〇〇さん、お帰りになる前にひとつお願いがあるんです!実は、このプリントで分からない漢字があって・・・〇〇さんはデイ一番の漢字博士と伺っています!博士の知識を私に伝授してください✨」
  • 「〇〇さんって車の整備士さんだったんですね!?実は私、今度車検なんですが、バッテリーをいつ変えたらいいのか分からなくて・・・良かったら交換のタイミングとか教えてください先生!

ポイントは2つ!

1、利用者さんの好みや得意なこと、していた仕事などを把握しておくこと!

2、1を踏まえて困っていることや教えてほしいことを考えること!実際にはなくても、嘘も方便。女優や俳優になりきりましょう♪

あとは、すべてに共通していることですが、随所随所に褒める言葉を入れるとなお良しです!

「〇〇博士」「先生」などのワードを入れると、多少わざとらしくても案外みなさん喜んでくださいますよ♪

人生の大先輩である利用者さんは、私たちより遥かにたくさんの経験をされてきています。

不穏状態を落ち着かせることができるだけでなく、利用者さんの貴重なお話を伺えるチャンスです!

この機に、利用者さんの持つ知識やワザを伝授してもらっちゃいましょう✨

こみち
こみち

あらかじめ頼み事の準備(プリントや折り紙などの用意)をしておくと、いざというとき慌てずに済みますよ💛

感情に訴える

これも私がよく使用していた手法のひとつですが、「感情に訴えてみる」のも良いと思います!

人は誰しも「誰かに認められたい」「必要とされたい」という欲求を持っているもの。

「あなたと会うために来た!」「あなたと話すと楽しい!」「帰っちゃうと寂しい」

そう言われて、嫌な思いをする人はあまり多くないと思います。

「自分がこう引き止められたら嬉しい!」という言葉を考えて、利用者さんに伝えてみましょう♪

  • 「えー!〇〇さんが帰っちゃったら私寂しいです😫まだお話ししたいな~!」
  • 「今日は〇〇さんと会える!と思って楽しみにしながら今日頑張って来たのに~😫もう帰っちゃうんですか・・・?🥺」」
  • 「もう帰られるんですか?さっき、△△さん(仲良しの利用者さんや職員)が『〇〇さんと話すの楽しいからまたお話ししたい』っておっしゃってましたよ♪せっかくなので△△さんともう少しお話しして行きませんか?」(△△さんと話していただくことで気分転換を狙う)

この方法にはもしかしたら賛否両論あるかもしれませんが、私が勤めていた時はこのように声を掛けるとみなさん嬉しそうにしてくださいました🌸(もちろん本心でしたよ!)

ポイントは、「俳優/女優になりきる!」「自分が言われたらつい嬉しくなっちゃうな~!という言葉で伝える!です!!

もし利用者さんとの信頼関係が出来ていれば、手を優しく握りながら伝えるのも安心感を抱いていただけて効果的です♪

こみち
こみち

「褒め上手」な人は職員・利用者さん関係なく信頼関係を築きやすいです!ただし無闇に褒めまくるのは逆効果なので、”さりげなく”を意識しましょう♪

まとめ

以上、「帰りたい」と言われた場合の効果的な声掛けや実例でした✨

今日のポイントはコチラ!

🌸「なぜ帰りたいのか」を把握する!

🌸とにかく優しい口調と柔和な態度で!高圧的な態度は不穏状態を加速させるだけです✖

🌸嘘も方便!女優や俳優になりきりましょう♪

🌸「自分ならこう言われたら嬉しいな」を実行しましょう!さりげない褒め言葉も効果的💛

🌸声掛けの内容は、利用者さんそれぞれの性格や背景に合わせて選択しましょう

今回紹介した以外にも、「トイレやお風呂に誘ってみる」「実際に帰り支度をしてみる」「上司を呼ぶ」など、さまざまな方法があると思います。

それぞれの利用者さんに合わせた適切な方法を選択し、職員も利用者さんも穏やかな気持ちでデイや施設で過ごせたら素敵ですね💛

さらに信頼される職員になれるよう、一緒にがんばっていきましょう✨

こみち
こみち

目指せ声掛けマスター!!

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